公開: 2024年5月18日
更新: 2024年5月18日
ある時点まで外国の小学校で学んでいた児童を、学年の途中から、米国の小学校で受け入れる場合、その生徒を何年生のクラスに編入させるのかは、小学校に配置されているスクール・カウンセラーの判断に任されています。スクール・カウンセラーは、対象の児童がどこの国から来たのか、その児童が学習してきた教育内容はどの程度のものなのか、英語は理解できるのかどうか、などを面接で調べ、外国人向けの英語の授業なども含めて、その児童に教えるべき科目と、時間割を決定します。
現在の時点で、日本から来た児童の場合、学習指導要領が決められているので、その内容に基づいて、児童が何をどこまで理解しているかを判定します。別の国から来た児童の場合には、その児童が使っていた教科書を見ながら、児童が理解していることを確認して、当該の小学校の何年のどのクラスに編入させるかを決めます。
さらに、児童がフランスなどから来ている場合には、その児童が、将来、フランスへ帰国する予定かどうかも調べ、帰国予定がある児童の場合には、バカロレア試験が問題になるかどうかを調べて、通常のクラスへ編入させて良いか、それとも、フランス人を対象とした特別なクラスに編入させるかを決めなければなりません。特に、将来、大学等の高等教育へ進むことを考えている児童には、バカロレア試験で不利にならないような教育を受けさせることが重要になります。
そのような意味で、現場の教員から見ると、これまでに経験をした事例に似ている場合は問題ありませんが、そうでない場合、予想していなかった問題に遭遇する可能性があります。バカロレア試験を念頭に置いているフランスからの児童の場合、編入してきても、ほとんど登校してこない例が発生したりします。それは、自宅でバカロレア試験の準備をするためです。そのような場合、クラスの中で、一部の児童から不満が出ることがあります。
このような問題の発生を未然に防止するためには、世界各国の教育内容と、修学年次を表にしておくことで、A国からB国へ編入した場合、どの学年の、どの水準のクラスへ編入させれば良いのかが、明確になります。